保険について

加害者が保険に加入しているかどうか

■事故の相手が任意保険加入者のとき
■事故の相手が任意保険未加入者のとき

歩行者や自転車、バイク、自動車などが関係する事故に巻き込まれて、被害者となった場合には、相手方に損害賠償や慰謝料の請求をすることが必要となる可能性があります。そのような状況に於いては、相手が任意保険に加入しているかどうかも、重要な問題となってくるでしょう。

一般的には、法律で加入が義務付けられている自賠責保険の他に、任意の自動車保険に加入している場合が多くなります。そういった意味では、強制保険の補償限度額を超えたり、保障範囲を逸脱したりした賠償金が必要となる事故が発生したとしても、任意保険の補償金額によってまかなわれる可能性が高いと考えられます。

ただし、加害者が特殊な事情を抱えていたり、変わった考え方をしたりする人であれば、任意保険に加入していない可能性もあります。言うまでもありませんが、任意保険の加入は本人の自由意思によるものなので、そういう風に無保険であったとしても、法律的には何らのペナルティを科せられることもありません。

しかしながら、そういった場合には、被害者や加害者が、事故後に金銭的な問題を解決するために掛かる時間やエネルギーの負担が重くなることが予想されます。特に、みずからが被害者となった場合には、安易に加害者と直接交渉すると、まともな話し合いをすることが難しい状況となる可能性が低くはありませんので、注意を払いたいものです。そうした問題を解決するためには、自身の加入している自動車保険会社のスタッフや弁護士、行政書士、司法書士などに相談するのも有効な選択肢となります。

過失割合

自動車とバイクが関係する事故が発生した場合には、過失割合にも注意を払うことが必要となります。車体の剛性や安全装置の有無などに違いがあることから、単車と四輪車の交通事故では、オートバイの使用者が弱者の立場に置かれる状況が多くなります。そのような特性を考慮に入れることによって、バイクと自動車では、過失割合の計算方法には違いが生じてくることとなります。一般的には、バイクの過失割合は、自動車よりも低く設定されております。また、類型化された過失割合は、おおよその目安を知るためには有効に機能しますが、それぞれの事例に於ける修正要素の有無によって、比率が変わる可能性もありますので、注意しなくてはいけません。

物損事故

物損事故の被害者となった場合には、車両の修理費や購入費用などを、相手方に請求することが可能となります。ただし、みずからに過失がある場合には、その分を差し引いた金額の賠償がおこなわれる運びとなるでしょう。また、バイクの評価額などは、時期によって変動する可能性もありますので、気を付ける必要があります。

よくあるトラブル

事故の中でもよく起こるトラブルを理解すると、事前の予測ができるようになります。
二輪車を使用していて、事故のリスクを軽減したり、被害を最小限度に抑えたりするためには、単車の特性を理解し、起こりやすいアクシデントやトラブルの事例を研究することが大切になります。例えば、車体が小さく、小回りが利く二輪車の特性があるからと言って、すり抜け走行をすると、対抗右折車と衝突する事故の発生するリスクが高まりますから、注意を払いたいものです。

また、事故の被害に遭って自分の乗っていたバイクが損傷した場合、時価額を基準にした損害賠償がおこなわれる可能性が高くなります。そういった意味合いからすると、走行距離や使用年数が少なく、新車に近いコンディションであればあるほど、こうむる金銭的デメリットは多くなることが予想されます。その種のリスクを少しでも減らすためには、相手の提示した金額を鵜呑みにするのではなく、自分でも情報を収集して、希望する賠償金額を主張することも大切になってくるでしょう。