過失割合

自動車とバイクが関係する交通事故が発生した場合には、単車に乗っている人が被害者の立場となる可能性が高くなります。そのような状況は、車体の剛性やエアバッグ、衝突安全ボディ、シートベルト、チャイルドロックなどといった安全装置の有無などを考慮すれば、容易に想像することが出来ると思われます。オートバイに乗っている人は、四輪車のように頑丈なボディに守られておらず、身体がむき出しになっているという特徴があります。また、自動車には、先ほど述べたような安全装置が数多く備え付けられているのに対して、バイクの場合、ヘルメットやプロテクターなど、比較的軽微な安全対策しかなされていないのが一般的です。それらの事情を考慮に入れると、事故によるドライバーや同乗者、車体などへの被害は、四輪車よりも、単車の方が甚大なものとなる可能性が高いと考えられます。
そういう風に、自動車と比較すると、バイクが弱者の立場に置かれるケースが多いということは、事故が発生した際の過失割合にも影響を及ぼしてまいります。一般的に、バイクの過失割合は、四輪車と比較して、低く設定されているという特徴があります。
例えば、交差点に於いて、青信号である場合には、右折車よりも直進車が優先されることはすべてのドライバーが熟知していることと思われます。そのような状況で事故が発生した場合、四輪車と四輪車の接触、衝突であれば、直進車20、右折車80という過失割合になります。その一方で、直進車が四輪、右折車がバイクの場合には、40対60という割り合いに修正されます。また、直進車がバイク、右折車が四輪の場合は、15対85になります。これらの比率は、平成10年までのものから変更されており、交通事故や過失割合に対する考え方が変わってきたことがうかがえます。また、先述の事例に於ける過失割合は基本的なものとなり、スピード違反や右折合図、徐行、直近右折、既右折車などの有無によって、それぞれ10前後の比率が増減することとなります。したがって、それらの修正要素の中で、自身にとって有利に働くと思われるものがあるとすれば、事故後に主張するのもひとつの選択肢になります。