逃げられた!

道を歩いていて、走ってきたバイクに轢かれるなどといった事故に遭った場合、相手方に対して、医療機関で怪我の治療を受けるための費用や、仕事を休むことによる損害、慰謝料などの請求をすることが可能となります。
それらの損害賠償や慰謝料の支払いは、加害者の加入している自賠責保険、もしくは任意保険などによってまかなわれることとなります。

ひき逃げ事故の場合にも請求できる

しかしながら、事故を引き起こした人物が、その場から逃げて行方をくらましてしまう、いわゆる「ひき逃げ事故」が発生する可能性もあります。
そのような場合には、相手がどこの誰かも分かりませんので、自賠責保険や損害賠償の請求をすることが出来なくなってしまいます。

ただ、そのようなひき逃げ事故の場合でも、被害者には何の落ち度や責任もありませんから、何らかの保障を受ける権利は変わらず有しているものと考えられます。
そうした問題を解決するために、政府の保障事業と呼ばれるものがあります。

こちらの事業によって、ひき逃げ事故の被害者が、相手が分からないからといって泣き寝入りをしないでも済むよう、最低限の保障がおこなわれます。
こうした保障を受けるための手続き方法や、支払われる補償金額は、基本的には自賠責保険と同様になります。

ただし、政府の保障事業では、自賠責保険のように、仮渡し金というシステムが存在しないため、ある程度の期間、必要な金銭を自己負担しなくてはいけなくなるという問題はありますので、注意しなくてはいけません。
この保障を受けたい場合には、各種損害保険会社の窓口で請求の手続き、相談、問い合わせなどをすることが可能となります。

ただ、こちらの保障事業には、自賠責保険と同じように、補償金額の上限が定められていることにも気を付ける必要があります。

例えば、治療費や休業損害、慰謝料などを含めて、1,200,000円までの補償がなされるということです。
しかし、数ヶ月間にわたって入院するような場合には、そちらの限度額を超過した費用が必要となる可能性は高くなります。

そういった金銭的な負担を軽減するためには、自らの加入している自動車保険の、人身傷害補償を利用するのもひとつの選択肢になります。

事故の被害に遭った場合には、相手方の加入している保険を利用するというのが基本的な考え方になります。
しかしながら、ひき逃げ事故のように、被害者にとっては理不尽に思われる事故が発生する可能性がある限り、自らの保険で損害をまかなうのも考慮に入れておくことが必要となるでしょう。