さまざまな意思を相手に伝えるパッシング
パッシングとは、ヘッドライトを使って相手にサインを送る事を指します。
昼間であれば点灯させていないヘッドライトを点灯させて、夜間であればロービームのヘッドライトを一瞬ハイビームにすることで意思を伝えるのです。
この行為は法令で決まっているものではありませんが、慣習的に行われているものです。
ここではよく行われているパッシングについて紹介します。
「お先にどうぞ」と道を譲る合図
パッシングが最も活用されるシーンは、動作を待っている相手のクルマに「お先にどうぞ」と道を譲るときです。
例えば右折専用レーンが設けられない交差点では、先頭で右折を待つクルマが後続の渋滞の原因であることが多く見られます。
そんな場合、当方の車線がノロノロ走行であれば、対向車にパッシングをして、先頭車両を右折させることが渋滞解消に極めて役立つのです。
同様に、道沿いの駐車場から道路に出ようと停止しているクルマにも有効とされます。
なかなかクルマの流れが途切れないため、困っているクルマに対して有効ですが、気を付けなくてはいけないのは、自分の車線の後続車が急停車しなくてよいようにしなくてはいけない点です。
夜間走行中にライトが点灯していない事への注意喚起
夜間走行中にヘッドライトを点灯し忘れているクルマに対して、「点灯し忘れていますよ」と注意を喚起する意味で使います。
近年の乗用車は自発光メーターが使われているケースが多く、明るい市街地の道路を走行する場合に、自分のクルマのヘッドライトの点灯を失念したまま、無灯火で走行しても気が付いていないケースがあるのです。
夜間にライトをつけ忘れて走行すると周りのクルマに気づかれにくく、事故のリスクが高まります。
ぜひパッシングを活用して注意を喚起してあげましょう。
対向車がハイビームのまま走行している事の注意喚起
夜間走行中、対向車がハイビームのままで走行している場合、対向車線を走るクルマのドライバーにとって危険ですので、パッシングを活用して注意を喚起します。
ドライバーがハイビームを直視した場合、一瞬目がくらみ周囲が見えなくなって事故のリスクが高まるのです。
ハイビームで走行しているドライバー自身は気づいていない場合が多く、伝えてあげる必要があります。
もっと早く走れ・あるいは道を譲れという威嚇
威嚇するような使われ方は、高速道路走行中に見受けられます。
追い越し車線を走行中に後続車がすぐ後ろに迫ってきて、「もっとスピードを出せ」あるいは「道を譲れ」という意味で使われます。
こんなパッシングをするドライバーは運転が乱暴で大変危険なので、追い越し車線を走行するのは止めて、ウィンカーを出して車線を変更し、先に行かせるようにしましょう。