視界が半分以上に狭まることもあるので集中力が求められる
人間の目は、最大でおよそ200度の範囲を見渡すことができるとされています。
一方、草食動物などは目が脇に付いているということもあって、360度近い範囲の視野を持っています。
では草食動物の方が優れているかというとそうではなく、広い範囲を見渡せる分、物の立体感があまりないことが知られています。
人間の目は視野が狭い分、より立体感のある視界を得られますし、正確に物体までの距離を測ることができます。
しかし、その能力もバイクや自動車を運転すると限定されていき、視野がどんどん狭くなっていくという傾向を持っています。
時速40キロ程度で、多くの人の視野は半分くらいになるとされていて、サイドの様子があまり見られなくなってしまうのです。
これは、前方の状況に集中することによって、脇の様子を把握することができなくなっていくためです。
顔を動かしたりミラーを活用したりして情報を集める
スピードが出る程、人間の視界は狭まる傾向にありますが、普段と変わらない感覚にいるとそのことに気づかず、サイドや後ろにいるバイクや車の動きに目がいかないこともあります。
そのため、思わぬ事故を招いてしまうこともありますので、スピードが出ている時には、視野が狭くなっているということを意識して、周りの情報を能動的に取ることが求められます。
高速走行をしている時には、たまに顔を左右に動かしてしっかりと横の情報を確認するようにしましょう。
また、車線変更をするなどの局面でなくても、常にバックミラーを見て後ろの様子をチェックすることも大事です。
こうして意識的に周りの様子を見ることによって、複合的な情報を把握して安全運転を持続することができます。
リラックスして運転することもポイント
スピードが出る程視界が狭まっていくのは避けられないことですが、プロのドライバーなどはある程度スピードが出ていても、視野を広く確保することができるとされています。
訓練や本人の素質ということもありますが、運転に慣れていてリラックスした状態で走っているということも一つの理由です。
前方のことだけに集中してしまって、過度の緊張状態にあると余計視野が狭まりますので、リラックスするというのはとても重要です。
もちろん、しっかりと集中して運転するというのは大事なことですが、いろいろなことに気を取られて過度の緊張状態にならないように気を付けることも欠かせません。
運転前にきちんと道路状況や目的地までのルートなどを頭に入れておき、走行中は運転だけに集中できるようにすることも大事です。
特に高速走行の際には、無理のない状況で走るようにして、思わぬアクシデントに巻き込まれないようにしたいものです。